前回の先手編に引き続き、後手番居飛車での戦法選択と対策を紹介します。
一応念のために言っておきますがあくまでも現時点での僕の考えであり、今後変わる可能性は大いにあります。というか絶対変わる。
もしかしたら3日後くらいに変わってしまうかも(笑)
「へぇ~、こんな感じで序盤の作戦を考えているんだー」くらいの気持ちで読むことをおすすめします。
あとこれ、前回の先手編の記事です。⇒居飛車での戦法選択と対策(先手編)
後手編を読む前に読んでおくと少し理解度がアップする...といいですね。
後手番何でも△8四歩!
先手の初手の候補はいくつかありますが、ほとんどの場合▲7六歩と▲2六歩です。それに対しこちらは△8四歩で対抗します。
居飛車でいくぜっ!
相掛かり?それとも角換わり?
かなりシンプルですね。居飛車党の鏡という声が聞こえてきそうです。嬉しい声ありがとうございます。
なぜ△8四歩とするのかという理由ですが結論から言うと、△8四歩の方が先手の戦法の選択肢を絞れるからです。
まず先手の初手が▲2六歩の場合ですが、△8四歩とすればお互い変なことをしない限り相掛かりか角換わりのどちらかに絞れます。
僕は先手でも後手でも相掛かりを指したい人なので、先手が初手▲2六歩なら喜んで△8四歩としちゃいます。
相掛かりになれば先手番の知識・経験値が後手番でも活かせますし、角換わりは定跡が複雑で意味不明ですが、僕と同じくらいの棋力相手であればきっと相手も同じはず。というかそう思いたい(笑)
そして一番多い初手▲7六歩に△8四歩とした場合、戦型はほとんど「矢倉」「角換わり」「先手中飛車」「ノーマル振り飛車」「角交換振り飛車」のどれかになります。(奇襲戦法やマイナーな戦法を無視した場合)
2手目△8四歩でカバーすべき戦法は「相掛かり」「角換わり」「矢倉」「先手中飛車」「ノーマル振り飛車」「角交換振り飛車」の6つになるわけですね。
また、△8五歩▲7七角を決めてから△3四歩とすれば先手は一度角を上がっているので自分から角を交換すると通常よりさらに一手手損してしまいます。
これにより角交換振り飛車を先手が選んだ場合、先手番でありながら後手番を持つことになってしまします。先手の利を活かす点ではマイナスと言っていいでしょう。アマチュアにはあまり関係ない話だと思いますけど。
△3四歩は選択肢が多くなる
△3四歩だと先手中飛車は防げますが石田流と筋違い角の変化が生じます。しかも先手は▲7七角を省略して角交換できるので、△8四歩よりも角交換振り飛車にしやすくなります。
また、プロ間で最近見かける角頭歩戦法にされる恐れも高くなるでしょう。
△8四歩なら避けれる戦法を△3四歩だとわざわざ対策しなきゃいけなくなるので、戦法を絞るという点からすると効率が悪くなるというわけです。
あと、先手がどうしても中飛車を指したい場合に初手▲5六歩とする手があります。
▲5六歩には後手が何をやっても先手の中飛車を阻止するのはほぼ不可能なので、先手中飛車対策は必須事項と言えます。(僕は不十分だけど)
初手▲7六歩に中飛車対策が得意なら△8四歩、石田流対策が得意なら△3四歩なのですが、どうせ初手▲5六歩とされたら嫌でも先手中飛車を相手にする必要があるわけなので、それなら石田流よりも中飛車の対策を優先したほうが効率的です。
各戦法別対策
さて、前置きが少し長くなりましたが、次は2手目△8四歩でカバーするべき6つの戦法の僕なりの対策を紹介します。
相掛かり
相掛かりは力戦になりやすいので「コレ!」という対策を準備するのが難しいというのが現状です。
他の相居飛車の戦法に比べると発展途上で色々な可能性がある戦法なので、プロの棋譜を参考にしながら自分なりに指しやすい形を模索することになりそうです。
一応対策としては▲2八飛型には従来の△6四歩ではなく△7四歩とする指し方が気になっているのでそちらをやってみたいです。
▲2六飛型は僕が先手で指すことが多いので、そのときの知識と経験を活かしながら先手の指し手についていくという感じですね。
角換わり
角換わりは「最強アマの即戦力戦法~スズメ刺しから丸山ワクチンまで~」で紹介されている△6四角型を主軸に指したいと考えています。
先手の指し方によっては毎回組めるわけではないですが自分の指したい形に誘導できるのは魅力ですし、何より膨大な定跡の勉強を回避できるメリットが大きいです。
矢倉
ガッチリ組み合う矢倉は先手に変化する余地が多いので、それを防いで自分が指したい戦型に誘導できる急戦矢倉をメインに指します。
それに自分からガンガン攻めるのが好きなので、急戦矢倉は棋風的にもマッチしているので指していて楽しいです。
急戦矢倉は色々な種類がありますが僕が指すのは米長流急戦矢倉ですね。
「藤森流急戦矢倉」という本で詳しく紹介されており、後手の攻めをしっかり受け止めるのはかなり大変そうです。
あと気になるのは左美濃急戦ですね。こちらもやってみたいです。
先手中飛車
一直線穴熊。以上。
はい、先手編でも紹介した対ゴキゲン中飛車と同じですね。同じ穴熊なので知識と経験値を共有できますし、なにより穴熊は堅い!
あと、角道を閉じたまま右銀を超速のように素早く繰り出す指し方も有力だと思うので、気分によってこちらも指したいと思います。
って、ひとつに絞りきれてないですね(笑)
ノーマル振り飛車
こちらも先手編で紹介したとおりですね。穴熊メインですが、気分によってミレニアムや地下鉄飛車です。
ただ、後手番ということなので鳥刺しで挑むのも面白そうです。
角道を開けないので角交換振り飛車の変化を消していますし、何よりマイナー戦法なので相手が対策していない可能性が高いのはアマチュア向きと言えますね。
ちなみに先手番でも鳥刺しは指せますが、後手が居飛車で来た場合ちょっと先手が損するかもしれないので先手で指すのは相手が振り飛車党だと決め打ちした場合が無難です。
角交換振り飛車
△8五歩▲7七角を決めてから△3四歩と角道を開けます。これなら先手は角を自分から交換しにくくなります。
もし先手が手損承知で角を交換してきたらこちらが先手番になるので、そのまま対後手角交換振り飛車の定跡に合流します。
先手が角交換をせずに駒組みを進める可能性もありますが、駒組みが進むにつれ先手が動きづらくなる将棋になると思うので後手としては十分でしょう。
まとめ
本当に簡単ではありますが、以上が後手番で遭遇する可能性の高い主要戦法の今のところの対策です。
とりあえず後手番の時はこんな感じで指していきたいと考えてます。
では最後にサクッと対策をまとめますね!
相掛かり・・・その場で何とか(笑)
角換わり・・・△6四角型
矢倉・・・急戦矢倉
先手中飛車・・・一直線穴熊
ノーマル振り飛車・・・居飛車穴熊(気分によっては鳥刺しも)
角交換振り飛車・・・飛車先を決めてから△3四歩
相掛かりは正直言って投げやり感ありますね。まぁ、そこはきっと相手の方も似たような考えのはずなので大丈夫でしょう。
さて、作戦も決まったことだし早速実戦実戦!
あなたがもしこのような戦法の組み立ての人に出くわしたら多分それは僕です。どうぞお手柔らかにお願いしますね。
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