自戦記第7回。
今回は横歩取り△4五角戦法が相手です。
先手の対策法があるのでプロ間ではほとんど指されない戦法ですが、先手が後手の猛攻を受けきるのはなかなか大変。この戦法の定跡を覚えるのが面倒で横歩を取らない人もいることでしょう。
この△4五角戦法に対して一応準備はしてはいたのですが実戦はボロボロ。全然対策できてないじゃねぇか(苦笑)
あなたも同じ目に遭わないよう注意してください。
横歩取り△4五角戦法に挑戦!
対局場所はいつも通り将棋倶楽部24。僕が先手で相手の方が後手です。
初手より▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛で1図。
先手が横歩を取った局面です。横歩をとるか取らないかは先手の自由ですが、僕は基本的に取るようにしています。
なぜ取るか?
せっかく買った横歩取り対策の本を無駄にしないためです(笑)
1図より、△8八角成▲同銀△2八歩▲同銀△4五角で2図。
後手は角を交換し、△2八歩▲同銀を入れてから△4五角と打ってきました。2図は△4五角戦法の基本図とも言える局面ですね。
ちなみになぜ△2八歩▲同銀を入れるのかと言うと、これをやらずに先に△4五角は▲2四飛△2三歩▲2八飛と飛車を2八の地点に引く順があるからです。
後手の狙いは△6七角成▲同金△8八飛成なのですが、先手の飛車が2八にあると8八の銀に先手の飛車の利きがあって△8八飛成が出来ずに先手優勢となるんですね。
なので後手は角を打つ前に△2八歩▲同銀として先手の飛車引きを防ぐ必要があります。
これは△4五角戦法の基本中の基本とも言える筋なので覚えておきましょう!
2図より、▲2四飛△2三歩▲7七角△8八飛成▲同角△2四歩▲1一角成△3三桂▲3六香で3図。
ここまでは定跡通りスラスラ進みました。
一応ね、このときのために「横歩取り超急戦のすべて」という本を読んでいますからね。何の対策もせずに横歩を取るほど無謀じゃないぜよ。(このあと対策できてないことを痛感します)
「横歩取り超急戦のすべて」では3図以下、△8七銀、△6六銀、△3六同角の3つを本線として取り上げておりこの3つのうちどれかで来るだろうと予想していたのですが、後手の方は全然違う手を指してきました。
定跡から離れるとダメになる
3図より、△4二銀で4図。
「へ?うそ?何それ?」
って感じでしたね。
多分△4二銀は先手から▲3三香成~▲3三馬とされるのを受けると同時に、次に△6六角成▲同金△7九飛を狙った手だと思います。
△4二銀で僕にとって未知の局面に突入。そこで僕が指した手は、後手の猛攻を自分から呼び込む悪手でした。
4図より、▲3三香成 △同金▲8五飛で5図。
▲3三香成として桂馬を取り、8五に飛車を打って角桂両取りを掛けた局面。
これで先手が優勢だと思っていましたが、香車を走ったことで後手の角の利きが2七の地点に届いているのが痛かった。
5図より、△2五飛▲2六歩△同飛▲4五飛△2八飛成で6図。
もうね、涙目です。
両取り掛けて優勢だと思ったらまさか△2六歩という筋があったとは。後で本を読み返したところ、「▲3六香は△2六飛に▲2七歩を用意」ってちゃんと書いてるじゃないですか!
後手に銀を取られておまけに竜を作られる展開に。しかも香、桂、金のトリプル取りが掛かっています。
4図では▲3三香成ではなく、▲8二歩△同銀▲8三歩△同銀▲8二歩(参考2図)として攻めたほうがまだ良かったかと思います。
この局面で先手が有利かどうかはぼくの棋力では自信がないですが、銀を取られて飛車を成られるのに比べたらはるかにマシだと思います。
6図より、▲3三馬△同銀▲4三飛成△4二銀打▲3二龍△7八龍で7図。
馬を切って強引に飛車を成り、攻め合いに活路を見出したもののガッチリ△4二銀打と受けられました。で、竜を逃げた手に対し△7八竜と金をボロッと取られた手が決めてです。
次に△6九金からの詰めろですが、それを受けたとしても左の桂香を取られて駒損拡大です。ほかにも△1四角から竜取りと4七の地点への角成りの筋もあります。
結局、7図以下数手で先手の投了。
投了図以下、▲5九金や▲5九金打でも△3八金で詰みです。
横歩取り超急戦はアマでは有効
はい、こんな感じで横歩取り△4五角戦法にボコボコにやられてしまいました。
しっかりと対応すれば先手が有利になるんでしょうが、少しでも間違えると後手の攻めが決まってしまうのは怖いですね。まさに時間の短いアマチュア将棋に有効な戦法だと思います。
先手が必ずしも横歩を取るとは限らないですが、うまくいけば今回の僕のように先手をボコボコにできる可能性を秘めているのが横歩取り超急戦最大の魅力でしょう。
それにしても先手で横歩をとるのは大変ですねーー。
先手が横歩を取る手に対して後手は自信のある戦法1つを研究してぶつけられるのに対し、先手は個別に対策を用意しておく必要があります。
各戦法に対する研究の深さではどうしても後手の方が有利になりがちなので、先手としては後手の研究にハマらないよう用心深く指さなきゃいけませんね。
次回また遭遇したときのためにも今のうちに対策しておかねば!
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