自戦記第8回。
今回はあの話題の戦法、嬉野流が相手です。
嬉野流を相手にするのは今回が初めて。対策という対策は用意してなかったので序盤悪くなってしまいましたが、何とか逆転勝利できた将棋です。
今後また相手にする機会があると思うので対策を考えておく必要がありそうですね。
出たな、嬉野流!
相手の方が先手で僕が後手。対局場所はいつもと同じ将棋倶楽部24です。
ちなみに以前、嬉野流に関する別の記事で嬉野流に遭遇したときには△8四歩として矢倉を目指すと言ったのですが、矢倉にはならず普通に嬉野流の将棋になりました。
先手の方が矢倉にせず淡々と嬉野流の駒組みをするんですよ、トホホ。
あと、今回の自戦記はポイントとなる部分をいくつか紹介する形式です。で、全体の棋譜は記事の最後にフラ盤で紹介しています。フラ盤の方が見やすいと思うので。
今後自戦記は多分この形式でやっていくと思います。
べ、別にを全部を紹介するのが面倒とかそういうわけじゃないですからね(笑)
控えて受ける
ではでは、早速嬉野流との戦いを見ていきましょう。
ざっと局面を進めて1図です。後手の角道が開いてない以外は本で紹介されている変化とほぼ同じです。
飛車先の歩交換に対し先手が▲8八歩と受けたところですね。
普通先手は▲8七歩と受けるところですが、ひとつ下がって受けることで後手からの棒銀の攻めを受けやすくする意味があります。
ただ受けたときに飛車取りになっていないので、後手は飛車を引かずにそのままで駒組みをする事が出来ます。
どちらの変化も確か本に載ってましたね。全然覚えてないけど(笑)
斜め棒銀の攻め
嬉野流を相手にするのは初めてでどう対応していいかわからず指していたら、いつの間にか先手の攻めの形が整ってしまいました。
嬉野流は引き角と斜め棒銀で攻めを狙ってきます。2図の局面ではその攻めが受からず、この時点で先手が有利だと思います。
で、この2図から△同歩▲同銀△5四歩▲2四歩△同歩▲同銀で3図。
「お、終わった・・・」
対局中はそう感じていました。だって2筋が受かりませんからね。△5五歩から攻めようにも▲2三銀不成で先手の攻めが炸裂です。
受けようにも受からないので普通の手だとまず負けます。何かしら勝負手を放たなければいけない局面です。
角の飛び出し
3図の局面で僕が指した手は△4四角(4図)。
狙いは次に△2七歩~△2六歩と連打して先手の飛車を封じ込めることただそれだけ。不利なのでヤケクソです(笑)
しかしここで先手から思いもしない手が飛び出しました。
▲3五銀です。
いやー、正直見落としていました。角取りと同時に桂取りです。しかも桂馬を取った手が王手になるのがこれまた痛い。「あちゃーー」って感じですね。
△2二歩と謝る手もあると思いますが、それだと△4四銀と角を取られて攻める手段がなくなります。それにそんな手は「屈服」した気がして指せません!
どうせ2筋は受からないので、それならもう2筋は放置して反撃です。
歩の連打でカウンター!
5図より、△2七歩▲同飛△2六歩▲同飛△2五歩▲同飛△8五飛で6図。
歩を連打してからの△8五飛が勝負手です。
▲4四銀と角を取ってきたら△2五飛として先手の飛車を素抜くのを狙っています。そうなれば後手が優勢です。
ほかの狙いとしては次に△3五角と銀を取り、▲同角なら△3四銀で飛車角両取り。▲同飛なら△同飛▲同角△2五飛の攻め合いがあります。
実戦は▲2一飛成と桂を取りながら王手をし、△3一金とはじいた手に▲2四竜△3三銀▲2三竜としてきました(7図)。
ここで僕は△3五角と銀を取ったのですが、またまた見落としで▲3三竜と銀を取られてしまいました。銀に紐がついてないのを見てなかったんです、ハイ。(苦笑)
ここでは△2二金として竜を追い返す手もあったかと思います。
一気に優勢に
7図からなんやかんやあって6手で8図。ここで僕は△1三角という手が気になっていました。
竜取りと同時に竜が逃げれば▲7九角成として金がとれます。しかも▲7九角成は次に▲6八金の詰めろ。おまけに▲8八飛成もあります。
これが成功すれば面白いのですが、8図で△1三角は▲2一竜(参考1図)と王手する手が気になって僕は指せませんでした。
なので僕は8図で△4二玉としてあらかじめ王手を避け、次に△1三角を狙うことに。
ただ、この△4二玉に対し▲6九玉などの△1三角とする手を消されたらかなり苦しかったと思います。
しかし、ここで先手の指しては▲6六桂(9図)。
次に▲5四桂とするのが狙いで、これはこれで結構嫌な攻めです。
あらかじめ桂跳ねを受ける手もあったかと思いますが、狙いの△1三角が打てなくなってしまっては勝つチャンスが無くなってしまうのでここでついに△1三角(10図)。もうあとには引けません。
ここでは▲5四桂と一度王手する手を予想していたのですが先手は▲2一竜と侵入。うっかりでしょうか?
当然△7九角成とし、後手が一気に盛り返した感じになりました。ただまだ油断は出来ません。なぜなら先手から▲2四角(参考2図)とする手があるからです。
この手は王手馬取りなので△同馬と応じるしかないですが、▲同竜と馬を取られてしまいます。
一応次に▲8八飛成があるので後手が少し有利だと思いますが、僕としてはこれで粘られるのが気になりました。
結局今回の将棋で▲2四角と打たれることはありませんでしたが、どこかで打たれていたら大変だったと思います。
即詰みを逃す
10図から数手進んでこの局面になりました。
この局面、実は先手は即詰みなのですが、僕はそれに気づかずに別の手を指してしまいました。あなたはわかりますか?
正解は・・・
↓↓↓
△6八竜▲同銀△6九金▲5八玉▲6八馬までの5手詰みです。
実戦で詰みは見逃しやすいと言いますが、これを逃すのはかなりもったいないですね。
ちなみに僕が指した手は△6八馬。竜を切るのが怖かったなんて言えやしない(笑)
そんな詰みを逃すということをやりつつも、最後は以下の局面から即詰みに討ち取って勝利!
先ほどの手順よりも難しいはずなのに・・・なぜこれは出来たんだ?
謎ですね(笑)
答えはこの記事の最後のフラ盤で確認してみてください。
反省点
嬉野流の斜め棒銀+引き角の攻めが決まっていたので、先手がしっかりと指せば僕は逆転できずに完敗だったと思います。ちゃんと対策する必要がありますね。
ただ、嬉野流は玉が薄い将棋になりやすいので、序盤悪くても終盤逆転する余地が十分あると今回の将棋で感じました。
最後まで諦めずに指せば何とかなる・・・のか?
でも僕の場合対策法よりもまず、終盤の簡単な詰みを逃さないようにするというのが一番の課題ですね(苦笑)
(棋譜を見やすい将棋盤で表示するために,Fireworks さんが作成されたアニメーション付棋譜再現プレーヤー 「フラ盤」を使用させていただいています.)
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