自戦記第9回。
今回は角交換振り飛車穴熊が相手です。レグスペとも呼ばれたりしてますね!
角を交換して飛車を振って穴熊に組んでドカンと開戦。序盤の駒組みがすごくわかりやすいですし、無難に穴熊に組めるという安心感が好きだという人もいることでしょう。
今回はそんなレグスペとの対局です!
終盤にまさかまさかの即詰みがぁぁぁ!
目次
初めての角交換振り飛車穴熊
美濃囲いの角交換振り飛車は何度か相手にしたことありますが対穴熊は今回が初めて。
とりあえず一方的に捌かれると穴熊の堅さを武器にガンガン攻め込まれるので、そうならないよう慎重に指しました。
結果から言うと勝ったのですが、なんと互いに即詰みを逃すというなんとも危ない終盤だったことが判明。相手の方が詰みを逃してくれたのである意味ラッキーで勝てた将棋です。
あ、場所は将棋倶楽部24の11級タブです。
とりあえず矢倉を構築
初手から▲2六歩△3四歩▲7六歩△4二飛▲4八銀△6二玉▲6八玉△8八角成▲同銀△2二銀▲7八玉△7二玉▲5八金右△3三銀▲7七銀△8二玉▲4六歩で1図。
ざっと進めましたが角交換振り飛車ではよくある手順ではないでしょうか。
1.飛車振って
2.角交換して
3.玉を移動させる
すごくわかりやすいですね。
▲4六歩と突いたのは4七銀型を目指すためです。これなら将来▲2五歩を決めたとき後手から逆棒銀の筋を受ける事が出来ます。また、このタイミング(△8二玉)で突かないと後手から4筋の歩を交換される可能性があります。
ここらへんの詳しい解説は以下の記事を参考にしてください。
1図以下、△9二香▲4七銀△9一玉▲8八玉△8二銀▲7八金△7一金▲9六歩△5二金▲6八金右△6二金寄で2図。
先手は矢倉、後手は穴熊を完成させました。
矢倉にした理由は既に▲7七銀としているので構築がスムーズだからです。というか銀冠の選択肢がすでに無い。▲6八金右としたのは通常の矢倉(6七金型)に比べ横からの攻めに強いからです。
僕は今のところ以上の理由から角交換振り飛車相手には矢倉を選択することが多いです。銀冠は玉のコビンが開いてるのが気になるのでほとんどやりません。
位取りを目指す
2図より▲7五歩△4四歩▲5六銀△3五歩▲2五歩で3図。
正直言って僕の定跡の知識はまだまだです。囲い構築までは「とりあえずこんなもんだろ」という気分ですが、2図の局面から先はほぼ手探り状態で指していました。
というわけでなんとなく▲7五歩と位を取ることに。ここを突いておけば将来銀を繰り出して攻めの拠点に出来るかもしれないとの考えです。ここは▲6六歩もあったかと思います。
△4四歩は次に△4五歩からの飛車先交換を狙っているので、それを防ぐために▲5六銀。これで後手の飛車先交換を防ぐ事が出来ますが、△3五歩が次に△3四銀~△4五歩(参考1図)として銀交換と飛車先突破を狙った手です。
参考1図のようになってはマズイので、▲2五歩として反撃をチラつかせました。これは後手が次に△3四銀としたら▲2四歩△同歩▲同飛(参考2図)を狙っています。
銀桂両取りが決まって先手優勢ですね。
角打ち角打ち角打ち!
3図以下、△5四角▲7六角△同角▲同銀で4図。
△5四角の狙いは次に△4五歩▲同歩△同角▲同銀△同飛と角を切っての飛車先突破でしょうか。こちらの駒得ですが飛車を一方的に捌かれるのと玉型の差で不利になります。
▲7六角はそれを防ぐための手です。もしここで後手が△4五歩なら▲同歩△同角▲4三歩(参考3図)で飛車角両取りの技が決まります。歩成りから2一の桂取りもあります。
というわけで△同角▲同銀。手順に銀が進んで位を確保できたのでこの局面は先手が若干指しやすいと感じていました。ただ、玉のコビンが開いたのが気持ち悪いところです。王手飛車には十分注意です。
4図以下、△4五歩▲同歩△5四角▲6五角△3六歩▲同歩△6五角▲同銀左△6四歩▲同銀で5図。
後手は歩を突き捨てて角を打ってきました。後手はなんとかして4筋の突破を狙っています。先手としてはそれを許すと不利になってしまうのでここは絶対に守りたいところです。
5六の銀が動くと△4五飛と捌かれるので、5六の銀が動かないよう意識して指していました。
4筋は守ったぜ!
5図以下、△4六角▲3七角△同角成▲同桂△4六角▲5五角 △同角▲同銀引で6図。
△4六角の飛車銀両取りは全く見えてなかったので指された瞬間焦りましたが、▲3七角と合わせて大丈夫。△同角成▲同桂で手順に桂を跳ねた手が4五の歩に効きを足しているので後手の飛車の捌きをガッチリ受け止める事が出来ました。
6図の局面は後手は歩損と歩切れで攻めが難しく先手が有利だと思います。
飛車の封じ込めに成功!
6図以下、△2二飛▲4四歩△2四歩▲4三歩成△2五歩▲3三と△同桂▲2三歩△同飛▲3四銀で7図。
後手は飛車を2筋に回って攻める場所を変えてきましたが、その瞬間の▲4四歩(参考4図)が隙を突いた好手(だと思う)。次に歩成があるだけでなく▲4五桂や▲4五銀があるからです。
この▲4四歩には△4二飛と戻って次に△4四銀▲同銀△同飛を狙う展開もあったかと思いますが、後手は▲2四歩と飛車先を逆襲にしにかかりました。しかしこれは▲4三歩成が厳しく先手が優勢だと思います。
以下数手進んで7図。この局面で先手優勢をハッキリ意識しました。
ただし、玉型に差があるので油断は禁物です。なにせこの後冒頭でも言ったとおり即詰みの順を後手に与えることになるのですから。
7図以下、△2一飛▲3三銀成 5九角 ▲4八角△同角成▲同飛△5九角▲4二飛成△3七角成▲2二歩△6一飛 で8図。
後手の飛車を責めながら竜を作ることに成功。8図は次に香を取られてしまいますが角を手持ちにしていることと飛車の働きに差がありすぎて先手優勢です。しかし、僕はこの局面で緩手を指してしまいました。
自玉の安全確認はちゃんとしよう
8図以下、▲4三成銀△7六桂▲7七玉△6八桂成▲同金△1九馬▲6四桂△4一香で9図。
▲4三成銀は成銀も攻めに参加させようとした手ですが、後手から△7六桂と両取りを掛ける手を誘発させてしまいました。ここは▲7七金右として桂打ちを消しておいたほうが安全だったかもしれません。
攻める前に一度玉型を整備する余裕が欲しいものです(苦笑)
△6八桂成と金を取られた手に対して▲同玉も考えましたが、後手の馬に近づくのと香を取られてからの▲7六香が感覚的に怖かったので金で取ることに。どちらが良かったのか僕の棋力ではわかりません。
△1九馬に▲6四桂も微妙かと。次に▲6二桂成△同金▲同成銀を狙っていますが△4一香と打たれたのが嫌。▲同竜はもちろん△同飛です。
▲6四桂では▲5二角(参考5図)が良かったと思います。もし△4一香なら▲同角成がありますし、△同金も▲同成銀で後手の飛車をいじめながら囲いを薄くしていくことができます。
互いに即詰みを逃す
9図以下、▲3二龍△4三香▲5二角△同金▲同桂成△6五銀▲6一成桂△7九角▲7一成桂で10図。
お互いに自玉がかなり危険になってます。どちらかが怯むと負けと言ったところでしょうか。
10図の局面は次に▲8二竜△同玉▲7二金△9一玉▲8一金(または▲8一成桂△同玉▲7二金 △9一玉▲8二金)までの詰めろ。それに対して先手玉はまだ詰みません。なので後手はここで受ける必要があります。
10図以下、△7一同銀で11図。
後手は△同銀と成桂を外してきました。しかし実はこれ、後手に即詰みがあります。実戦で僕はこれを逃してしまい、逆にこちらが即詰みありの局面になりました。あなたはここで後手の詰みが見えますか?
正解は・・・
↓↓↓
11図以下、▲8二金△同銀▲同龍 △同玉▲7二金 △同玉▲6四桂 △6三玉▲7二銀 △6二玉▲5二飛で詰み。(参考6図)
玉を無理やり7二の地点までおびき出してからの▲6四桂が決めてです。桂を打つ筋が見えていれば詰みを発見できるのでしょうが僕には見えませんでした。そもそも飛車を渡したら△7六飛の1手詰みなので、飛車を渡さずに詰めろを掛けることばかり考えていました。
そしてこの勝勢、いや、勝ちとも言える局面で僕はこの将棋で最大のポカをやってしまいます。
11図以下、▲8四桂△同歩▲8三金で12図。
後手玉に詰めろを掛けて「ドヤァッ!」となった局面です。しかしこの局面、後手に金を渡したので先手玉に即詰みが生じています。相手の方がそれを逃してしまったので結果的には僕が勝ったから良かったですが、優勢で進めていた将棋をぶち壊しかねないところでした。
ちなみに12図以下の先手の詰みは・・・
↓↓↓
12図以下、△8五桂▲8六玉 △6八角成▲7七金 △7六金▲9五玉 △9四金で詰み。(参考7図)
あちゃーー、負けてましたね(笑)
しかし実戦は12図以下、△6二歩 ▲同龍 △7二金▲同龍で投了図。
はい、この投了図も実は先手に即詰みがあります。
投了図以下、△8五桂▲8六玉△6八角成▲7七金△7六金▲9五玉△7七馬▲同桂△9四金で詰み。(参考8図)
先ほどとほとんど同じ詰み筋です。どうやら僕は2回負けていたみたいです。なんてこったい。終盤の強化と寄せる前に自玉の安全度の確認を徹底する必要がありますね。
反省点
一応勝ちはしましたが、やはり終盤の詰みが見えなかったのが痛いですね。序中盤優勢だっただけにかなりもったいないと思います。
うーん、将棋ってどんなに優勢でもたった1回のミスで逆転があるから怖いですねーー。
特に終盤での逆転は即負けにつながる可能性があるので、今回のようにならないよう自玉と敵玉の安全度をもうちょっと意識しながら指さなきゃいけないですね。敵玉だけでなく自玉も見なきゃ!
ただ、角交換振り飛車穴熊の仕掛けに対してはしっかりと対応して攻めを切らせることが出来たので、そこらへんの指し方は自分の中でうまくいった将棋だと思います。
それでは最後にフラ盤でどーぞ!
(棋譜を見やすい将棋盤で表示するために,Fireworks さんが作成されたアニメーション付棋譜再現プレーヤー 「フラ盤」を使用させていただいています.)
コメント
初コメ失礼します!
レグスペは私もまれに指すので、手筋や狙いを知っておきたいなーと思って拝見させていただきました。
ところが・・ フラ盤を進めていくと見知った展開だったのでかなりびっくりw
というのは、実は、ふみたんさんの対局相手が私なのですw
本当に驚いたのと、私との対局が記事になっていたことが嬉しかったのでコメさせていただきました^^
駒損覚悟で駒が成り込めれば勝負出来るはずと思って手を尽したのですが、ふみたんさんの読み通り、完封されて中盤は苦しい展開でした。
特に、狙った△4六角の飛車銀両取りに対する▲3七角が全く見えてなくて^^;
あっさり返された時はかなり堪えましたw 状況も悪化してしまったですし。
苦し紛れに2筋に振ったのですが、じっと歩成をされてますます・・><
即詰みも見逃してしまって、完全に力負けです。
私ももっと勉強していこうと思いますので、また良かったら対局してくださると嬉しいです!対局も記事も本当にありがとうございました!
ブルーさん、コメントありがとうございます。そして対局ありがとうございます!
お互いに即詰みを見逃すという危ない終盤でしたね。
対局中投了図までずっと優勢と思っていたのが実は負けていたとは!
まだまだ終盤力が足りてないみたいです。
また対局する機会がありましたらよろしくお願いします!
84桂打ちは悪い手じゃないんじゃ・・・?
それより83桂の一手詰みを逃したのがだめっぽいw