美濃囲いと振り飛車の組み合わせは対振り飛車戦において最も目にすることの多い組み合わせではないでしょうか。
「振り飛車=美濃囲い」と言ってもいいくらい関係性が深いですよね。
今回はそんな振り飛車にとって頼れるパートナーでもある美濃囲いを縦から崩す方法を紹介します。
これで美濃囲い攻略だーー!
美濃囲いは上からの攻めに弱い
美濃囲いは横からの攻めには強いですが、上からの攻め、つまり縦の攻めにはあまり強くありません。
これは守りの金銀が玉頭周辺になく、上から攻められると直接玉に影響を及ぼすからなんですね。場合によっては守りの金銀が働かずに寄せられることもあります。
では早速、美濃囲いを上から攻める基本的な手筋を見ていきましょう!
桂を2枚持ったら継ぎ桂を狙え!
後手の美濃囲いがキレイに残っていますね。これだけ見ると手のつけようがないと思いますが、先手の豊富な持ち駒に注目です。この豊富な持ち駒を活かして美濃囲いをガクブル状態へと追い込みます。
1図では▲8六桂(2図)と控えて打つのが好手です。
実はこの2図、後手はすでにピンチです。
それを知らずに…
「ん?こんなとこに桂打って、バカじゃね?」
とか言って△5四歩などとするとすかさず▲7四桂打(3図)が厳しい一手になります。
実はこれ、後手玉詰んでます。2図の▲8六桂は詰めろなので後手は受ける必要があったんですね。ではここから実際に詰ましましょう。
3図以下、△同歩▲同桂で4図。
△7一玉なら▲8二金。△7三玉は▲8二角△7四玉▲7五金で詰みます。最善は△9二玉(5図)と逃げる手ですが…
▲9三香△同玉▲8二角△9二玉▲9一角成△9三玉▲8二馬△8四玉▲7五金(6図)で詰みとなります。
▲9三香で玉をおびき出してからの▲8二角~▲9一角成が好手順です。守りの金銀を全く相手にせずに玉を詰ます事が出来ました。
実は端攻めも狙っている
この▲8六桂と打った局面は▲7四桂打からの詰みだけでなく、もうひとつ別の狙いもあります。
端攻めです。
▲9四桂△同香▲9五歩(7図)で後手は端を支えきれません。
▲8六桂と桂馬を打つのは詰めろと端攻めのダブルパンチなので、先手にとってかなり嫌な筋となります。実戦で似たような局面になったら是非逃さないようにしたいものです。
まとめ
以上が美濃囲いを上から攻める方法です。
実戦では今回紹介したように持ち駒が豊富な状況というのは滅多にないかもしれませんが、この継ぎ桂は美濃崩しにおいて基本の手筋です。この手筋を覚えていれば色々と応用が効くことでしょう。
「桂を2枚持ったら継ぎ桂を狙う」
こう意識するだけで寄せのスピードが段違いになるはずです。
横からの美濃囲い崩しと合わせて覚えれば、もう美濃囲いは怖くない…はず!
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