初心者におすすめの戦法として紹介されることの多い棒銀と四間飛車。
それぞれが居飛車と振り飛車の代表的な戦法でもあり、これから先さらに戦法の多様化が進んだとしてもずっと指し続けられる戦法であることでしょう。
そしてこの先もずっと初心者におすすめの戦法として紹介されると思います。
しかし僕はこう思う。どちらが本当に初心者におすすめの戦法なのか!?そろそろ決着をつけてもいいんじゃないかと!
棒銀か四間飛車か
これはもうドラクエ5のビアンカフローラ論争、きのこの山VSたけのこの里に近いものがあります。悩んで当然。何やんだ挙句ルドマン、アポロ、中飛車を選んだ人も多いことでしょう。
中飛車を選んで先手中飛車で猛威を振るうのも魅力的ですね。中飛車強いですし、特に先手中飛車は強敵です。
って、話が違う!ここは棒銀か四間飛車です。中飛車も良いですが忘れてください(笑)
というわけで今回は、棒銀と四間飛車のメリットとデメリットを紹介しながら、果たしてどちらが初心者におすすめの戦法なのかを僕の一方的な考えで結論付けたいと思います。
ちなみに僕はフローラ派たけのこ派です。
棒銀のメリット・デメリット
棒銀のメリットは攻めがわかりやすく破壊力抜群だということです。うまく決まれば一方的に攻め勝てます。特に相居飛車戦はその傾向が強いです。
また、横歩取り以外のほとんどの戦型に登場するので、基本的な攻め筋を覚えておけば様々な戦型に応用できるのでコスパ的に見ても優秀です。
デメリットとしては①攻めの銀が取り残されたときの処置が難しい、②攻めの銀と相手の守りの銀を交換した後にどう指せばいいかわからない、③振り飛車よりも序盤が複雑になりやすい、④角交換振り飛車には使いづらいの4つです。
①攻めの銀が取り残されたときの処置が難しい
棒銀の宿命と言っていいでしょう。攻めが失敗したり局面が落ち着くと銀の活用が難しくなるので、そうならないよううまく指す技術が求められます。
相手が強くなるにつれ棒銀の攻めは決まりづらくなるので、棒銀を見せつつ別のところから攻めるといった高度な戦略が必要になることでしょう。
②攻めの銀と相手の守りの銀を交換した後にどう指せばいいかわからない
棒銀成功の例として「攻めの銀と守りの銀の交換は攻めた側が十分」と定跡書などで説明されてますが、それで勝ち負けが決まるほど将棋は単純じゃありません。そこから先の第二次攻撃を知らないと互いに銀を持ち合う難しい局面を自ら作っただけになります。
代表的な第二次攻撃は端を攻めて空いたスペースに銀を打ち込んだりする端攻めです。棒銀とセットで端攻めも覚えると銀交換後にどのように指せばいいか悩む事が少なくなるはずです。
③振り飛車よりも序盤が複雑になりやすい
居飛車で指す以上仕方ないですが自分から戦法の誘導がしづらいので、矢倉・角換わり・対振り飛車・横歩取りなど様々な戦法の序盤を抑える必要があります。
ここらへんは一度に全てを抑えるのは難しいので、実戦で遭遇したら対策を学んだり遭遇率の高い戦法から優先順位をつけて抑えるなどして対処する必要があります。
④角交換振り飛車には使いづらい
角交換振り飛車とは、序盤に振り飛車側から角を交換して互いに角を持ち合ったまま駒組みを進める振り飛車のことです。
この角交換振り飛車に対して棒銀は分が悪いです。なぜなら相手の角が盤上に無いからです。
振り飛車に対する棒銀は基本的に相手の角を目標に攻めて行きます。角は頭が丸い(前に利きがない)ので頭を攻められるのが弱点なんですね。しかし角交換振り飛車は序盤早々角を交換して手持ちにするので角頭を狙う事が出来ません。そもそも角が盤上にないので当然ですね。
もちろん銀を前線に繰り出して棒銀で攻めることも可能ではありますが、目標の角がないので攻めが難しいばかりか持ち駒の角を打ち込まれて逆に攻められる恐れがあります。
角交換振り飛車に対しては棒銀以外の対策を準備しておくべきでしょう。
四間飛車のメリット・デメリット
四間飛車の最大のメリットは序盤の駒組みが簡単でわかりやすいということです。玉を安全に囲う事が出来るので乱戦を避けてじっくり指す事が出来ます。
この「玉をしっかりと囲う」という点に関しては棒銀よりも四間飛車の方に軍配があがります。将棋の駒で一番大事な駒は玉なので、戦いが始まる前にその玉を安全地帯に移動させるのはすごく大切なことです。
四間飛車は玉を囲いやすい戦法なので自分から変なことをしない限り玉型を整備してから攻める事が可能です。玉が安全だと攻めも思い切ってできます。
また、振り飛車を代表する戦法でもあるので定跡書が充実しているのも嬉しいところ。初心者向けから有段者向けまであるので勉強に困りません。逆に言うとそれだけ対策がされているともいえます。
デメリットは①駒組み完了後の指し手が難しい、②相振り飛車が意味不明、③居飛車穴熊という天敵がいる、④右四間飛車でガンガン攻められるの4つです。
①駒組み完了後の指し手が難しい
これは僕が四間飛車に感じる一番のデメリットです。四間飛車側から攻める手段もありますが、基本的に四間飛車はカウンター狙いの戦法です。特に居飛車が早い戦いを目指した場合は相手の攻めを受ける展開がほとんどでその受け方が難しい!
攻め方を間違えるよりも受け方を間違えたほうがダメージが大きいんですよね。攻めの場合は体勢を立て直して仕切り直しも出来るんですけど受けの場合は失敗するとそのまま潰されかねません。
その受けが振り飛車のカウンターでもあり魅力ですが初心者にとってこの部分はかなり難しいと思います。
②相振り飛車が意味不明
自分も相手も振り飛車の場合の戦型を「相振り飛車」と言います。この相振り飛車がとにかく意味不明!まぁ、意味不明なのは単純に僕が全く勉強してないからですけど(苦笑)
ただ、どうしても他の戦型に比べどうしても難しい印象があるんですよね。一応ある程度定跡があるので序盤をパターン化することはできますが、飛車を振る場所と囲いの組み合わせのバリエーションが豊富なので定跡を離れて力戦になりやすいです。
力戦になりやすいのをメリットと考えることも出来ますが、序盤をわかりやすく穏便に指したい人からするとここはデメリットと言えるでしょう。
③居飛車穴熊という天敵がいる
恐らくプロにとって一番のデメリットがこれ。居飛車穴熊の存在です。四間飛車だけでなく角道を止める振り飛車全般の天敵です。玉の遠さ・堅さをバックにした猛攻を凌ぎきるのは並大抵のことじゃありません。
ただ、穴熊は駒が偏るので実際に指しこなすのは難しいです。なので初心者レベルではほとんど遭遇することは無いですが、強くなるにつれ遭遇する頻度が多くなってくるので対策は必須です。
④右四間飛車でガンガン攻められる
アマチュアでは居飛車穴熊よりも右四間飛車の方が厄介な存在です。
右四間飛車は攻めに特化した破壊力抜群の戦法で、一度攻めに火がつくともう手がつけられなくなるくらい大暴れしてきます。プロ間では攻めが単純と考えられてるからか見る機会は少ないですが、アマ間ではその単純な攻めゆえわかりやすいので遭遇する確率はかなり高いです。
初めて遭遇した日には一方的に攻められて負かされてしまうことがあるのでトラウマ級の戦法だという人も少なくないでしょう。
右四間飛車の壁を突破できるかどうかが四間飛車を得意戦法とするか否かの分かれ道です。
迷ったら棒銀
以上棒銀と四間飛車のメリットとデメリットを紹介しました。色々と突っ込みどころはあるかと思いますが、あくまで個人的に感じることなのでそこはそっとしておいてください(笑)
さて、どちらが初心者におすすめなのか?ぶっちゃけどちらでも良いんですよね。どちらも優秀な戦法に変わりは無いのでしっかり勉強すれば必ず上達できます。
ただ、「どちらにするか迷って選べない!」という人は棒銀をおすすめします。
やっぱりなんだかんだ言って攻めって大事なんですよ。攻めなきゃ勝てません。
受け切って勝つ方法もありますが、受けるにはまず相手の攻め方を察知してそれに対応する必要があります。なので受けるにしても攻め方を知らないといけないんですね。
その点棒銀は将棋の攻めの基本ともいえる戦法です。何事も基本が出来ての応用なので、まずは棒銀で攻め方を覚えるのが上達の近道だと僕は考えています。
ちなみに僕は棒銀を指してからお金を拾うことが増え、身長も伸びて女性からもモテモテ。そして振り駒はいつも先手番というラッキーボーイになりました。これも棒銀のおかけです。ありがとう棒銀!これからもよろしくね!
というわけで結論は「どっち選んでもいいけど迷ったら棒銀がいいよ」ということで決まり!
え?迷ったら中飛車だろ?美濃にも組めて積極的に攻めていけるだと?
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ま、まぁ、その手もあるよね(笑)
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