最近流行の角交換四間飛車。
藤井猛九段が採用し始めたのがきっかけでプロ間で採用する人が増えました。
アマチュア間でももっぱら人気ですよね!
駒組みのわかりやすさと従来の振り飛車よりも積極的に攻めていけるところが、その人気の一翼を担っているのではないでしょうか。
さて、この角交換四間飛車ですが、角道を止めるいわゆるノーマル四間飛車との違いについてご存知ですか?
今回はその部分について紹介しますね。
違いは角を交換するかしないか
ノーマル四間飛車と角交換四間飛車の最大の違いは、序盤に角を交換するかしないかです。
ノーマルは序盤で角道を止めて角交換を避けるのに対し、角交換四間飛車は角交換を辞さないどころか自分から積極的に交換していきます。
これが最大の違い。
ここはビジュアル的にも非常にわかりやすいですね。
「序盤で角を交換するのはわかった。じゃ、何で交換する必要があるの?」
今度はこちらが気になりますよね。
はい、こちらもかなり大雑把に簡単にではありますが説明いたします。
なぜ角を交換するの?
序盤で角を交換するのは手損で駒組みが遅れる可能性があるので、昔は「ありえない手」とされていました。
しかし、今じゃプロがタイトル戦でその「ありえない手」をやります。
まぁ、別に普通に角道を止める振り飛車で勝てればそれで良いのですが、そうもいかない事情があるんですよね。
その事情というのがコレ。
「居飛車穴熊に勝てないんだけど。」
角道を止める従来の振り飛車は居飛車穴熊に苦しめられてきたという時代があります。
今は穴熊対策があるので簡単に負けることはないですが、それでも居飛車穴熊は振り飛車に対して有力な戦法であることに変わりはありません。
振り飛車党はこのままじゃ居飛車穴熊相手にカモにされてしまうので、何とか対策を立てなきゃいけないですよね。
藤井システムといった穴熊対策もありますが、こちらは居飛車側の研究が進み勝つのは容易ではありません。また、玉が不安定な状態のまま戦いになりやすいので、指しこなすのが難しい戦法と言えます。
そこで登場したのが角交換四間飛車です。
穴熊は駒が偏ってしまい、自陣に駒を打たれやすくなるという弱点があります。
序盤に角を交換して持ち合うと、居飛車側は穴熊を作る際に角を打ち込まれて不利になってしまうんですね。
角交換振り飛車はその弱点をついて居飛車が穴熊に囲うのをけん制しているというわけです。
「穴熊にしたら角打ち込むよ。それが嫌なら大人しく銀冠か矢倉にでもしたら?プププwww」
振り飛車側がこんな感じでほくそ笑んでいるかどうかはわかりませんが、このようなことを居飛車相手に要求しています。(僕はほくそ笑んでます。)
しかも相手の穴熊をけん制するだけでなく、振り飛車側はこれまで通り美濃囲い(もしくは穴熊)に囲うことが出来ます。
それにより玉の堅さは同等以上という嬉しい効果もついてきます。
ほかにも角を交換することで今まで以上により積極的に攻めることが出来るといったメリットがあります。
新たな攻め筋と居飛車の囲いの弱体化(正確にはけん制)を手に入れたことで振り飛車の可能性が一気に広がり、今現在流行しているんですね!
ちなみに僕は振り飛車を指す場合はゴキゲン中飛車が多くこの戦法を指すことはあまりないですが、序盤で角を交換するので角頭を狙われる心配がないのは安心だなと指してて感じることがあります。
ゴキ中は角頭が弱点なので、そこをケアするのがなかなか大変なんですよ。
そのケアに嫌気がさしたらきっと角交換四間飛車がメインの振り飛車戦法になるかと思います。(笑)
コメント
記事興味深く拝見しました。角交換四間飛車は、当初、すぐ「消えた戦法」の仲間入りするものと思っていたのですが、意外に長く流行しているので、少し調べていました。この戦法はすごく優れています。先手で指す場合、今のところ決定的な不利になることはないようです。後手の対策としては、先手で四間飛車に形を決めるので相振り飛車は有力だと思います。「玉の守りは金銀三枚、攻めは飛角銀桂」の基本に忠実な戦法で、その他にも「角交換に5筋は突くな」の基本にも忠実な駒組みが望めます。後手の「2二銀の形は、駒組みの制約があり手得が生かせない」という思想や「3四歩は傷」という発想は、昔はなったものです。居飛車は、8五飛を含む後手横歩取3三角戦法の進化、一手損を含む角換り腰掛銀の進化で、体系的にすべてを学ばないと7六歩を突けない状況になっています。アマチュアが、戦法を極める時間は限られ、観戦する分にはいいですが、実際に指すとなると居飛車は難しくなってきていると実感します。そうした中で、角交換四間飛車のスペシャリトは、アマチュアの有力な序盤戦略だと思います。よい記事を拝見しました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます!
角交換四間飛車は時間が限られるアマチュアにとって戦型を絞るという面で優秀だと僕も思います。
居飛車は正直言って相居飛車だけでも手一杯なところがありますし(苦笑)
「飛車振って角交換して美濃囲い構築」というわかりやすい序盤も嬉しいところです。