【有段者は見ないで3】終盤力の鍛え方

有段者は見ないでシリーズ第3回。

今回のテーマは終盤力の鍛え方です。

「将棋は終盤」という言葉があるほど、将棋は終盤が大事と言われています。

どんなに序中盤優勢でも終盤が弱ければ勝つことは難しいですし、逆に終盤が強ければ劣勢でも終盤で逆転勝ちできる可能性が高いからです。

勝てる将棋をしっかり勝ち切る、必敗の局面から奇跡の逆転勝ちを果たすためにも、ここで終盤力の鍛え方を学んでいってくださいね。

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終盤の流れ

具体的な終盤力の鍛え方の前にまず一般的な終盤の流れを紹介します。

終盤は基本的に以下のような流れで進みます。

 

敵玉の守りを薄くする(囲い崩し)→敵玉の周囲に攻め駒を配置し包囲する(寄せ)→敵玉を追いかけて捕まえる(詰み)

 

だいたいこのような流れなのですが、同じ終盤でもそれぞれの局面で考え方や指し方が異なっており、勉強の仕方もそれぞれ異なっています。

なのでバランスよく勉強するのが大事になってきます。

よく終盤を鍛えるのに詰将棋が取り上げられることがありますが、それだけじゃ足りないと言うことです。

 

もちろん詰将棋は終盤を鍛える上ですごく効果的なのですが、囲い崩しや寄せの手筋もしっかり学んだ方が終盤全体の力を底上げすることができます。

では、終盤の流れがわかったところで次から具体的な終盤力の鍛え方について紹介していきますね!

 

まずは1手詰将棋から

将棋の最終目的は相手玉を詰みの形に持っていくことです。

詰みの形を知らずにいるとたとえ詰みがあっても延々と指し続けるハメになりますし、最悪の場合こちらの玉がいきなり詰まされてしまうことになりかねません。

なのでどんな形が詰みなのかを知っておく必要あります。

 

この詰む形を学ぶのに最適なのが1手詰めを数多く解くことです。

気に入った1手詰めの本を1冊選び、問題を見た瞬間即答できるレベルになるまで何度も読みます。

頭の中で解くのが難しければ盤駒を用いて駒の動きを確認しながらでも構いません。

 

ただ注意して欲しいのは詰将棋の本は難易度が様々で、有段者クラスの人でも悩む1手詰めもあります。

そのような難解な詰将棋は初心者の上達には不向きですので、まずは「1手詰めハンドブック」などの簡単な1手詰めの本から取り組むのをオススメします。

 

 

1手詰めがスラスラ解けるようになってきたら3手詰めに挑戦しましょう。

3手詰めは詰みの形だけでなく、基本的な詰みの手筋も学ぶことができます。

こちらも「3手詰めハンドブック」というめちゃオススメな詰将棋の本があるので、まずはこれをひたすら解いていきましょう!

ちなみに個人的には簡単な3手詰めがスラスラ解けるようになるまでは、将棋に使える時間を詰将棋のみに集中した方が上達速度は早いと感じています。

 

寄せの手筋を学ぼう!

3手詰めが解けるようになったら囲い崩しや必至などの寄せの手筋の勉強をしましょう。

囲い崩しとは相手の囲いを崩していくことです。これは言葉通りなのでイメージしやすいですね。

堅い穴熊や美濃囲いも急所を突けば意外ともろいものです。その急所を囲い崩しの本を通して学びましょう。

 

囲い崩しでオススメの本は「佐藤康光の実戦で使える囲いの急所」です。

実戦でよく現れる囲いの基本的な崩し方を紹介しており解説もわかりやすいので、囲い崩し本の最初の一冊としてオススメです。

これを一通り読んだあとは「美濃崩し200」をオススメします。

この本は美濃囲い崩しを解説した本です。

美濃囲いは自分が指す指さないに関わらず「盤上に現れる確率ナンバー1」と言ってもいい囲いです。

囲い別に対策する優先度で考えると美濃囲いはほぼ必須とも言えるので、ちょっと難しいですが頑張ってこの本にも挑戦しましょう!

 

寄せの手筋で終盤力アップ

詰みの形だけでなく、必至の形も覚えると更に終盤力はアップしていきます。

囲い崩し本の紹介が終わったところで次は必至ですね。

必至は「次に相手玉が必ず詰む状態」のことです。

詰将棋は王手の連続で玉を追いかけていきますが、必至問題は玉を包囲して追い込んでいきます。

玉の逃げ道を事前に封鎖するイメージですね。

実戦では即詰みを狙って勝つよりも必至の方が簡単な場面が多いので、必至の形を知っておくと勝率がグッとアップします。

 

ちなみに必至問題は詰み手順も同時に読む必要があるので、詰みの形を知らないと必至を理解することはできません。

詰将棋の勉強を先に始めるのはそのためです。

最低でも3手詰めを解けるレベルじゃないと理解するのは難しいと思います。

 

必至を解説した本はいろいろありますが、オススメは「寄せの手筋200」です。

基本となる寄せがぎっちり詰まった本で、この本の問題を即答できるくらいまで読み込めば寄せが鋭くなっているのを実感できるはずです。

 

ただ、この本は200問と問題数は多いのですが解説がやや物足りないです。

より詳細な解説を希望であれば「寄せが見える本」をオススメします。

こちらは基礎編と応用編と2冊あり、それぞれ「ここまで詳細に解説するか?」と思うほどくどいくらいに解説されています。

僕は最初必至が全然理解できなかったので、この寄せが見える本を盤駒を用いながら読んでいました。

解説手順を盤に並べるのは大変でしたが、恐らくこの本が僕のこれまでの将棋歴の中で一番棋力を向上させた本だと思います。

囲い崩しと必至問題もしっかり行い、終盤力アップを目指しましょう!

 

はい、というわけで今回はここまでとなります。

将棋は序盤・中盤・終盤とどれも大事ですが、終盤が強くないと勝てる将棋も勝てません。

最初は詰みや必至を理解するのは難しいと思いますが、これが理解できると勝ちを逃しにくくなりますし、勝つことでさらに将棋が楽しくなります。

1日1問でも構わないでまずは詰将棋を解くことを習慣化していきましょう!

ではまた次回〜。

→第4回へ

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